2026年08月31日
- 認知行動療法
川崎で夏休み明けに学校へ行きたくない子どもへの支援/川崎市の不登校支援と「学校に戻る」ことについて考える
こんにちは。
認知行動療法カウンセリングセンター川崎店です。
夏休みが終わり、新学期が始まる時期。
久しぶりに友達に会えることを楽しみにしている子どもがいる一方で、
- 「学校に行きたくない」
- 「朝になるとお腹が痛くなる」
- 「学校のことを考えると苦しくなる」
- 「教室に入るのが怖い」
- 「友達に会うのが不安」
- 「勉強についていけるか心配」
と感じる子どももいます。
保護者の方にとっても、
「休ませてもいいのだろうか」
「無理にでも学校へ行かせた方がいいのだろうか」
「このまま不登校になったらどうしよう」
と悩みやすい時期です。
しかし、学校への行き渋りや不登校を、
「学校へ行くか、休むか」の二択だけで考える必要はありません。
川崎市でも現在、学校内の別の居場所、教育支援センター、家庭訪問、教育相談、学校外の学びの場など、子どもの状態に応じたさまざまな支援が行われています。
今回は、夏休み明けに学校へ戻ることがつらくなる理由とともに、川崎市で利用できる不登校支援や、認知行動療法の視点から考えられることをご紹介します。
夏休み明けは子どものメンタルヘルスに注意したい時期
長い休みが終わって学校生活へ戻る時期は、一部の子どもにとって大きな環境変化となります。
学校生活では、
朝決まった時間に起きる。
身支度をする。
学校まで移動する。
教室へ入る。
授業を受ける。
先生から評価される。
同級生と関わる。
集団生活のルールに合わせる。
宿題をする。
テストや進路について考える。
など、多くのことが求められます。
夏休み中はこうした負担の一部が一時的に減っています。
しかし、新学期になると、それらが一気に戻ってきます。
そのため、
「夏休み中は元気だったのに、新学期が近づくにつれて急に元気がなくなった」
「始業式が近づくにつれて、お腹が痛いと言うようになった」
ということもあります。
「学校に行きたくない」の中身は一人ひとり違う
子どもに、
「どうして学校に行きたくないの?」
と尋ねても、
「分からない」
「なんとなく嫌」
「全部嫌」
と答えることがあります。
これは必ずしも、理由を話したくないからとは限りません。
本人自身にも、何が一番つらいのか整理できていないことがあります。
例えば、
- 朝起きることがつらい
- 家から出る瞬間に不安になる
- 電車やバスでの通学がつらい
- 校門を通ると緊張する
- 教室へ入る瞬間が怖い
- 休み時間に一人になることがつらい
- 特定の友達との関係に悩んでいる
- 先生に注意されるのが怖い
- 勉強についていけるか不安
- 宿題が終わっていないことが気になる
- テストや成績が怖い
- 進路について考えると苦しくなる
など、いくつもの問題が重なっている場合があります。
そのため、
「学校そのものが嫌なのか」を考えるだけではなく、学校生活のどの場面に負担があるのかを具体的に分けて考えること
が重要になります。
海外でも「元通りの登校」だけを目標にはしない
海外の学校復帰支援でも、
子ども本人だけに頑張らせない
という考え方が重視されています。
例えば、学校内で安心して話せる大人を決めたり、静かに過ごせる場所を用意したり、授業や課題を調整したりしながら、学校とのつながりを少しずつ作っていく方法があります。
つまり、
「元気になったら以前と同じように登校してください」
ではありません。
何が学校へ行くことを難しくしているのかを確認し、その障壁を小さくしていく。
これは川崎市の不登校支援でも見られる考え方です。
川崎市でも「教室へ戻ることだけではない」支援が進んでいます
川崎市教育委員会は、不登校児童生徒への支援について、
- 学校内での支援
- 教育相談
- 学校外の居場所
- 多様な学びの場
- 保護者への支援
- 親の会
などをまとめて案内しています。
特に2026年度からは、不登校児童生徒とその保護者への支援をさらに進めるため、
校内教育支援センターを全小・中学校に段階的に整備する方針
が示されています。
また、保護者同士がつながるピアサポートも進められています。
「学校に行けるかどうか」だけではなく、
学校の中でどこなら過ごせるのか、学校外ならどこにつながれるのか
という選択肢を増やしていく方向に支援が広がっています。
川崎市の支援① 学校には行けるけれど教室に入れない場合
不登校というと、
「まったく学校へ行けない」
という状態を想像するかもしれません。
しかし実際には、
「校門までは行ける」
「学校には入れる」
「保健室なら大丈夫」
「別室なら過ごせる」
「教室だけが怖い」
という子どももいます。
この場合、
「教室に入るか、学校を休むか」
という二択にする必要はありません。
川崎市では2026年度から、(仮称)校内教育支援センターを全小・中学校へ段階的に整備する方針が示されています。
通常の教室とは別の場所で過ごしながら、学校とのつながりを維持するという方法も考えられます。
これは認知行動療法の考え方とも共通しています。
最も負担の大きなことをいきなり求めるのではなく、
現在できるところから少しずつ取り組める範囲を広げていく
という考え方です。
川崎市の支援② 学校外の居場所「ゆうゆう広場」
川崎市には、不登校の児童生徒を支援する教育支援センター
「ゆうゆう広場」
があります。
学校へ行きづらくなっている子どもに対して、学校以外の場所で相談や学習などの支援を行う仕組みです。
川崎市総合教育センターでは、ゆうゆう広場についての見学や通所相談も受け付けています。
大切なのは、
学校の教室へ行けないからといって、人や学びとのつながりまでなくす必要はない
ということです。
通常の学校生活にすぐ戻ることが難しい場合でも、学校外の場所から少しずつ生活や学習、人とのつながりを作っていく方法があります。
川崎市の支援③ 外出そのものが難しい場合には家庭訪問相談も
不登校の状態はさまざまです。
教育支援センターなどへ通える子どももいれば、
「家からほとんど出られない」
「外出すること自体が大きな負担」
という場合もあります。
川崎市総合教育センターでは、そのような子どもを対象にした不登校家庭訪問相談も行っています。
家庭訪問相談員が自宅を訪問し、相談だけではなく、一緒に遊んだり、学習したり、本人が興味を持っていることに取り組んだりしながら、その子らしい生活について考えていく支援です。
「相談室まで行けないから支援を受けられない」
と決めつけなくてもよいわけです。
川崎市の支援④ 教育相談センターに相談する
川崎市には、
川崎市総合教育センター教育相談センター
があります。
小中高生の友人関係、いじめ、不登校、その他子どものことで気になることについて相談できます。
川崎区・幸区・中原区にお住まいの場合には塚越相談室、高津区・宮前区・多摩区・麻生区では溝口相談室で来所相談が行われています。
電話相談も利用できます。
「どこへ相談すればいいのか分からない」
という段階でも、公的な相談機関につながるという選択肢があります。
川崎市の支援⑤ 学校内ではスクールカウンセラー等に相談する方法も
川崎市立学校では、担任だけではなく、
- 支援教育コーディネーター
- スクールカウンセラー
- 学校巡回カウンセラー
などに相談することもできます。
不登校の背景が、
- 学校内の人間関係
- 学習上の困難
- 教室環境
- 発達特性
- 家庭での問題
- 心理的な問題
など複数にまたがる場合には、一人の専門家だけですべてを解決するというより、
学校・家庭・教育相談・医療・心理支援などを必要に応じて組み合わせる
ことも重要です。
川崎市の支援⑥ 保護者が一人で抱え込まないための支援
子どもが学校へ行けなくなると、保護者の方も、
「朝起こし続けた方がいいのか」
「学校の話をしない方がいいのか」
「家でゲームをしていてもいいのか」
「休ませることで不登校を悪化させているのではないか」
「いつになったら学校へ戻れるのだろう」
など、さまざまなことで悩みます。
川崎市では、不登校児童生徒の保護者同士がつながるピアサポートの導入・推進も進められています。
また、市の不登校支援情報では親の会についても案内されています。
子どもの支援を考えるとき、
保護者が相談できる場所を持つこと自体も大切な支援
と考えることができます。
川崎市では不登校相談会や進路情報説明会も
不登校になると、
「このまま進学できるのだろうか」
「高校はどうなるのか」
という将来への不安も出てきます。
川崎市と神奈川県では、不登校児童生徒や高校中退者等を対象とした不登校相談会・進路情報説明会も開催しています。
2026年度には川崎地区の相談会が9月26日に川崎市高津市民館で予定されており、行政やフリースクール等による個別相談、進路情報の提供、不登校経験者による話などが行われます。
不登校になったからといって、その後の進路が一つに限定されるわけではありません。
「学校へ行くか、休むか」の二択にしない
夏休み明けに、
「学校に行きたくない」
と言われると、
「明日は学校へ行かせるべきか」
「休ませるべきか」
という判断に意識が向きます。
しかし、その前に、
「学校生活の何が一番つらいのだろう?」
と考えてみることも大切です。
例えば、
朝起きることなのか。
家から出ることなのか。
通学なのか。
校門なのか。
教室へ入ることなのか。
授業なのか。
休み時間なのか。
友達なのか。
先生なのか。
勉強なのか。
進路なのか。
本人が「全部つらい」と言っていても、一つずつ見ていくと負担の程度が異なる場合があります。
原因が少し具体的になれば、
- 学校内で相談する人を決める
- 教室以外で過ごせないか相談する
- 教育支援センターを利用する
- 学習面の調整を相談する
- 家庭訪問などの支援を検討する
- 外部のカウンセリングを利用する
など、対策も具体的になっていきます。
認知行動療法では「学校に行けない」を具体的に整理します
これは、認知行動療法(CBT)の考え方ともよく似ています。
認知行動療法では、
「不登校」
という大きな問題をそのまま扱うのではなく、
どの場面で、何を考え、どのような感情や身体反応が生じ、その結果どのような行動につながっているのか
を整理します。
例えば、
朝、学校へ行く準備をする
↓
「教室に入ったら、みんなに見られる」
「休んでいた理由を聞かれる」
↓
強い不安
腹痛
動悸
↓
学校を休む
↓
その日は不安が下がる
↓
翌日はさらに学校へ行くことへの不安が大きくなる
という悪循環が起きているかもしれません。
一方で、別の子どもでは、
- いじめ
- 学習上の困難
- 発達特性
- 睡眠リズム
- 家族関係
- 気分の落ち込み
- 社交不安
- 強迫症状
などが関係している可能性もあります。
だからこそ、
「どうやって学校へ行かせるか」を最初に考えるのではなく、「この子に今、何が起きているのか」を理解すること
が重要です。
「学校に行けた=解決」とも限りません
もちろん、学校へ行けるようになることは大切な目標の一つです。
しかし、
登校できているから大丈夫
とも限りません。
毎日学校へ行っていても、
「休み時間が怖い」
「誰にも相談できない」
「ずっと緊張している」
「勉強についていけない」
「毎朝学校へ行くことを考えるだけで苦しい」
という子どももいます。
反対に、通常の教室にはまだ行けなくても、
別室、教育支援センター、家庭、学校外の居場所、専門家などとつながりながら、少しずつ生活を立て直している子どももいます。
大切なのは、
出席・欠席という結果だけではなく、その子がどの程度安心して生活できているのか
という視点です。
よくあるご質問
Q1.夏休み明けに「学校へ行きたくない」と言われました。無理に行かせない方がよいですか?
一律に「行かせた方がよい」「休ませた方がよい」と決めることは難しいです。
まずは、何が学校へ行くことを難しくしているのか、現在の心身の状態がどうなっているのかを確認することが大切です。
場合によっては休養が必要なこともありますし、学校内の別の場所や教育支援センターなどを利用する方法も考えられます。
「通常の教室へ登校できるかどうか」だけに限定せず、今の状態でどこならつながれるかを考えるという方法もあります。
Q2.本人が「どうして学校へ行きたくないのか分からない」と言っています。それでもカウンセリングできますか?
はい、ご相談いただけます。
本人自身にも理由が分からないことは珍しくありません。
カウンセリングでは、
「いつ特につらくなるのか」
「学校のどの場面が負担なのか」
「そのとき何を考えているのか」
「身体にどのような反応が出るのか」
などを少しずつ一緒に整理していきます。
最初から理由を明確に説明できる必要はありません。
Q3.本人がカウンセリングを嫌がっています。保護者だけでも相談できますか?
ご相談内容やお子さまの年齢等にもよりますが、保護者の方からご相談いただくことも可能です。
例えば、
- 子どもにどのように声をかけるか
- 朝どの程度登校を促すか
- 学校とどのように相談するか
- 家庭での過ごし方をどう考えるか
- どのような支援先が考えられるか
などを一緒に整理することができます。
川崎市にも、教育相談や保護者向けの支援がありますので、公的な支援と外部のカウンセリングを必要に応じて組み合わせることも可能です。
川崎で不登校・学校への不安についてカウンセリングをお探しの方へ
認知行動療法カウンセリングセンター川崎店では、
- 学校への行き渋り
- 不登校
- 学校生活への不安
- 人間関係への不安
- 社交不安
- 強い緊張
- 気分の落ち込み
- 学校や進路についての悩み
- 保護者の方からのご相談
などについて、認知行動療法の考え方を用いながらカウンセリングを行っています。
「何が原因なのか分からない」
という段階でも構いません。
どの場面で、どのような困りごとが起きているのか
を一緒に整理するところから始めることができます。
認知行動療法カウンセリングセンター川崎店
〒210-0023
神奈川県川崎市川崎区小川町11-14
グリタァ小川町403号室
川崎店WEB
https://kawasaki.cbt-mental.co.jp/
対面カウンセリングのほか、オンラインでのご相談にも対応しています。
まずは事前無料相談もご利用いただけます
「子どもの状態がカウンセリングの対象になるのか知りたい」
「本人ではなく、まず保護者から相談したい」
「学校やスクールカウンセラーと並行して利用できるのか知りたい」
「対面とオンラインのどちらがよいか相談したい」
といった場合には、約10分間の事前無料相談もご利用いただけます。
無料相談後に、カウンセリングを利用するかどうかをご検討いただくことも可能です。
事前無料相談・カウンセリングお申込フォーム
https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLSelm3nMBwOyvwnkhrkihe-APBzNTll2NL4fsPB6b6hHMzC8GA/viewform
おわりに
夏休み明けに、
「学校に行きたくない」
と言われると、
「明日は行けるのか」
「いつ学校へ戻れるのか」
ということに意識が向きやすくなります。
しかし、その前に考えてみたいのは、
「この子に今、何が起きているのだろう?」
ということです。
川崎市でも、学校内の支援、教育支援センター「ゆうゆう広場」、家庭訪問相談、教育相談、学校外の学びの場、保護者へのピアサポートなど、さまざまな選択肢があります。
学校へ行くか、休むか。
その二択だけにしなくても構いません。
どこなら安心できるのか。
誰なら相談できるのか。
何なら今できるのか。
一つずつ整理していくことが、その子に合った学校や社会とのつながり方を探す第一歩になることがあります。
認知行動療法カウンセリングセンター川崎店でも、お子さまや保護者の方と一緒に現在の状況を具体的に整理し、その方に合った方法を考えていきます。
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